離婚前に別居は必ず必要?
夫婦関係が悪化した場合、別居をすることで冷却期間を設けることがあります。しかし、一部の人は離婚するために別居をします。なぜなら、別居をすることで離婚請求が認められる可能性が高まるからです。夫婦が離婚する場合、協議離婚によって離婚することができますが、離婚裁判になった場合には、離婚理由が必要になります。
別居が長期にわたって続き、夫婦関係が破綻していると判断されると、離婚が認められる可能性が高くなります。一般的には、3年〜5年程度の別居期間であれば、離婚請求が認められることが多いです。
ただし、夫婦の年齢や同居期間などの個別の事情によって異なるため、一概に何年と言うことはできません。また、有責配偶者(浮気やDVを行った側)から離婚請求する場合は、5年以上の別居期間が必要になることが多いです。
別居のメリット・デメリット、注意点
メリットとしては、同居によるストレスから解放されたり、心身の安全を確保することができることや、落ち着いて離婚の準備ができること、離婚が認められる可能性が高くなること、相手に離婚の意思を明確に伝えることができることなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、夫婦関係の修復が困難になることや、財産の把握が難しくなり、相手が財産隠しをする可能性があること、相手から離婚請求される可能性があること、今までよりも経済的に苦しくなることなどが挙げられます。
それぞれのメリット・デメリットには、個人の状況や環境によって影響が大きく異なることがあります。離婚前に別居を考える場合には、よく検討して判断する必要があります。
離婚前の別居リスク
別居のリスクとしては、関係をやり直すことが難しくなる事があります。別居をすると気持ちが離れてしまい、やり直すことが困難になることがあるため、一度別居するかどうかよく考える必要があります。
また、証拠集めが難しくなるリスクがあります。別居をすると物理的に距離が離れるため、証拠集めが困難になる可能性があります。離婚後の財産分与や浮気問題などに影響を与えるため、注意が必要です。
そして悪意の遺棄により不利になる可能性もあります。夫婦には同居の義務があるため、別居が長期化すると「悪意の遺棄」に該当し、相手から離婚請求をされるリスクがあります。また、相手から慰謝料請求をされる可能性もあるため、注意が必要です。
別居の手順、方法、準備
別居の手順についてまとめました。
お金を貯める
別居には引っ越し費用や生活費が必要になります。なるべく貯金しておきましょう。
同居中に証拠を集める
別居後に証拠集めが難しくなるため、同居中に財産分与や不倫の証拠などを集めておきましょう。
引っ越し先を決定する
引っ越す先を決めましょう。賃貸住宅に移るのか、実家に戻るのかを検討してください。
生活費を確保する
婚姻費用を受け取れる場合もありますが、仕事を探して収入を確保する手段を用意しましょう。
引っ越し
引っ越し業者を選定し、引っ越しをしましょう。
住民票の異動
引っ越し後は、住民票を異動しましょう。DV案件の場合は、役所に相談して閲覧制限をかけることもできます。
子どもと一緒に出る
親権を獲得したい場合は、子どもと一緒に出ましょう。ただし、子の連れ去りと判断されると相手から子の引き渡し請求がくる場合があるので、注意しましょう。親権問題がある場合は、弁護士に相談することをお勧めします。
別居と子ども
子どもを連れて別居することは、親権争いに有利に働く場合がありますが、準備なしで行うといくつかのデメリットが生じる可能性があります。具体的には、相手の反感を買ったり、警察へ通報されたり、子連れ別居が「子の連れ去り」と判断されて親権争いに不利になる場合があります。
そのため、子どもを連れて別居する場合は、注意点を把握してから行うことが大切です。具体的には、子どもに必要な荷物はすべて持ち出すこと、子どもに会えない相手にも配慮すること、DV・モラハラ・虐待がある場合の対応を考慮することが必要です。DV・モラハラ・虐待がある場合は、身の安全を最優先に考え、証拠を残しておくことが大切です。
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